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ドミノで遊ぶ大富豪、Clackerjackのルール紹介

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この記事は作者であるSean Rossさんの許可を頂き、Clackerjackのルールを日本語に翻訳したものです。原文は こちら をご参照ください。 1. ゲーム紹介 Clackerjackは2人、4人用の大富豪ゲームです。相手プレイヤーまたは相手チームより早く手札を無くすことが目的です。作者の過去の作品であるハギスと似てるところがありますが、ドミノを使うことによってユニークな面白さがあります。 2. コンポーネント W6ドミノ(1から6までの数字やドットが書かれたドミノセット)を2セット使います。すべてのタイルを混ぜて使うため、同じ製品を2セット使うことが望ましいです。 2人戦:6の数字が入ったタイルは使われません 4人戦:すべてのタイルを使います 3. タイルの強さ ドミノのタイルには二つの数字が書かれています。このゲームではプレイヤーがタイルを出すときにどちらの数字が スート なのかを宣言します。もう片方の数字が ランク と呼ばれます。タイルを出す時にスートが上でランクが下に来るように置きます。 宣言したスートによってタイルの強さが変わります。ランクにかかわらず、スートの数字が高い方が強いタイルになります。スートが同じ場合はランクが高い方が強いタイルになります。タイルの強さをまとめると下のテーブルのようになります。 タイルの強さ タイルの中には片方に数字が書かれていないものや、両方とも数字が書かれていないものがあります。数字が書かれていない部分をブランク(blank)と呼びます。プレイヤーはブランクを好きな数字に宣言して使うことができます(2人戦では1~5、4人戦では1~6の数字を宣言できる)。 ここからはまず4人用のルールを説明します。記事の最後に2人で遊ぶときの変更点をまとめました。 4. ゲームの準備 ペアを決めてパートナーと向かい合わせになるように座ります。パートナーがゲーム中に変わることはありません。適当な方法でスタートプレイヤーを決めます。 まずはドミノセットからブランクがあるものとないものを分けます。 ブランクがないタイルをシャッフルして裏向けに配ります。スタートプレイヤーとその左隣のプレイヤーにはタイルを11枚配ります。それぞれのパートナーにはタイル10枚と両方ブランクのタイル1枚を配ります。これによって 各プレイヤーの手札が11枚になります。

「マイティ」のルール紹介

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この記事は Trick-taking games Advent Calendar 2021 の19日目のために書かれたものです。 マイティは韓国で遊ばれているトランプを使うトリックテイキングゲームです。日本のナポレオンによく似ているため、日本から伝わったものと考えられます。1970年代にソウル大学で遊ばれていたという記録があり、現在も理系の大学や高校を中心に様々なローカルルールがあるそうです。 この記事は こちら のページのルール紹介の一部を翻訳して紹介しています。すでにトリックテイキングゲームを遊んだことがある方向けに書いたものですのでスート、ランク、トリックなどの用語を説明なしで使っています。トリックテイキングゲームは初めてという方のためにおすすめのリンクをいくつか紹介しておきます。 「スリートリックス」でトリックテイキングゲームをおぼえよう! トリックテイキングいちにちめ。 トリックテイキングふつかめ。(ビッドについて) プレイ人数 2人から7人まで遊べますが5人で遊ぶことが多いそうです。ここでも5人用のルールを説明します。 カード構成 - トランプ1デッキ - スート♠♣ ♥♦ のA, 2~9, J, Q, Kの52枚とジョーカー1枚を使います。 ゲームの目的 プレイヤーは 与党 チーム( 主公 と フレンド の2人)と 野党 チーム(その他3人)に分かれて戦います。与党は自分たちの 公約 を達成しようとしますが、野党はそれを妨害することを目指します。 1ラウンドの流れ 1回のラウンドは下のような流れで進みます。何ラウンド遊ぶかは決まっていないので自由に決めてください(昔はお金を賭けて遊ぶことも多かったそうです)。 1. カードを配る。 2. 与党と野党を決めるチーム分け( 選挙 )を行う。 3. カードプレイ 4. 点数計算 1. カードを配る 最初のラウンドのディーラーは自由に決めます。次のラウンドからは前回フレンドだった人がディーラーになります。 ディーラーは全員にカードを10枚配ります。これが各プレイヤーの手札になります。残った3枚は伏せたままにします。 配られた手札に 点数になるカード (各スートのA, K, Q, J, 10)が一枚も入っていないときは ディールミス になってそのラウンドは流れます。ディールミスになったプレイヤーは手札を公開して次

ハギス チーム戦

この記事は作者であるSean Rossさんの許可を頂き、ハギスの 4人用チーム戦ルール を日本語に翻訳したものです。制作途中のルールなので最終版では一部変わる可能性があります。製品版が出たときにはこの記事は削除します。 1. ハギスとは? ハギス(Haggis) は2010年に発売された2, 3人用大富豪ゲームです。セット、連番、ボムの存在など、他の大富豪ゲームと共通する部分が多いですが、2人で遊べる大富豪ということで今でも好きな人が多いゲームです。ここではハギスを2対2のチーム戦で遊べるバリアントルールについて説明しますが、元のゲームを遊んだことがなくても分かるように書きます。 2. ゲームの目的 2対2で戦うチーム戦大富豪です。手札をなるべく早く無くすことが目的です。 3. カード構成 トランプが2デッキ必要です。 A:使わないので取り除きます 2~10:72枚すべて使います K, Q, J:1デッキ分の12枚だけ使います 4. カードの強さ 強い  K  Q  J  10  9  8  7  6  5  4  3  2  弱い 5. ゲームの準備 ペアを決めてパートナーと向かい合わせになるように座ります。パートナーがゲーム中に変わることはありません。 ディーラーを決めてカードを配ります。各プレイヤーに(同じスートの)K、Q、Jを1枚ずつ配ります。K、Q、Jは各プレイヤーが必ず持っている公開手札であるため、自分の前に表にして並べます。 各プレイヤーに数字カードを18枚ずつランダムに配ります。こちらは非公開の手札になるので人に見せてはいけません。 3枚の公開手札と18枚の非公開手札をすべて無くすことが目的です。ディーラーの左隣がスタートプレイヤーになり、ラウンドを始めます。 6. ラウンドの流れ ラウンドは 「カードの交換」 、 「カードプレイ」 の順に進みます。 a. カードの交換 パートナーとカードを1枚交換します。 交換は相手から渡されるカードを見ずに同時に行う K、Q、Jを渡すことはできない 相手から渡されたカードを見て、さらにもう1枚同じ方法でカードを交換します。 b. カードプレイ スタートプレイヤーから時計回りにカードを出していきます。スタートプレイヤーは以下の組み合わせの中で好きなものを出します(リード)。 シングル :1枚だけ セット :2枚以上

スカートのビッド

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この記事は Trick-taking Games Advent Calendar 2020 の6日目のために書かれたものです。2019年のAdvent Calendarに書いた アプリで始めるスカート の続きになります。 スカートは一人のプレイヤーが攻撃側(デクレアラー)になり、他の2人がそれを阻止するゲームです。攻撃が成功しても失敗しても得点が変わるのはデクレアラーだけなので、ゲームに勝つためには勝てる手札で攻撃を宣言することが大事です。 スカートで攻撃を宣言するときには様々な方法があります。プレイヤーは手札を見て、切り札を決めて戦う ソロ 、B(トランプのジャック)だけを切り札にする グランド 、1トリックも取らない ヌル の中から勝てそうなゲームを選んでビッドに参加します(もちろん、どのゲームでも勝てそうにない手札だったらパスしてビッドから降ります)。 どの手札でも勝てるゲームがあるのがスカートの面白いところですが、その自由度の高さゆえに初めて遊ぶときはどのような手札のときにビッドして、どんなときに降りるのか判断が難しいです。この記事では手札を見てゲームを選ぶときに参考になりそうなことをいくつか説明したいと思います。 1. 手札の強弱とは 他のトリテと一緒で、スカートも強いカードを多く持っているときに勝てる確率が高くなります。それでは 強い カードとはどのようなものでしょうか。実は手札の強さは宣言するゲームの種類によって変わります。 手札をもらったとき、まずBのカードが何枚入っているかを見ます。Bはソロでもグランドでも切り札であるため、いつでも強いカードです。この手札ではBが4枚入っているので強そうに見えます。 しかし、強いカードを4枚持つだけではゲームに勝てません。カード点数の120点のうち、61点を取らないと攻撃が成功しないため、せめて手札の半分以上は強いカードがないと安心できません。多ければ多いほどいいです。どうすれば強いカードを多くすることができるのでしょうか。 答えは手札に多く持っているスートを切り札にしてソロゲームを宣言することです。今の手札にはクラブが3枚入っているのでクラブのソロゲームを宣言してみましょう。 2枚のスカートは取らずに クラブのソロを宣言しました。これで切り札が7枚になります。10枚のうち7枚切り札があればイケそうな感じがするので

好きな変則トリテの紹介

この記事は Trick-taking Games Advent Calendar 2020 の1日目のために書かれたものです。2020年の秋ゲームマーケット、色んなトリックテイキングゲーム(トリテ)が出ましたね。個人的に今回は、変則トリテと呼ばれる変わったルールを持つゲームがいくつか出たのが印象的でした。この記事ではそんな変則トリテについて書いてみたいと思います。 変則トリテとは? トリックテイキングゲームは共通するルールが多いので1つ覚えると他のゲームも遊びやすいと言われています。↓は スペード という伝統ゲームのルールに入っている要素ですが、それらは他の色んなトリテにも現れます。 スートのフォロー カードの強弱判定 切り札 ビッド チーム戦 現代のゲームになるとルールがもっと複雑になったり、新規性を出すために既存の要素を変化させたり、新しい要素を足すゲームもあります。この記事ではそのようなゲームをまとめて変則トリテと呼びます。 トリテに明確な定義がないように、どれほど変わっているものが変則トリテなのかも明確な基準はありません。個人的な感想で変則トリテと思うものを選んで紹介することにしました。初めてトリテを遊ぶ人には難しいかもしれませんが、簡単で王道なものに慣れてきて、より強い刺激が欲しい方は遊んでみてはいかがでしょうか。 おすすめの変則トリテ ポテトマン 場に出たどのカードのスートもフォローしてはいけない。 弱いカードが強いカードに勝つポテトマンルールがゲームを盛り上げる。4人で遊んでも楽しいけど、2人用ルールも面白いのでぜひ遊んでみてください。 シュティッヒルン 、 知略悪略 、 ゼロの恐怖 スートをフォローする義務はなく、どのカードでも出すことができる。 ただの数字比べになってしまうところを、独自の得点ルールで面白くしているのがすごい。どの作品も独自のプレイ感を持っているのですべて遊んでその違いを楽しんでみてください。どれも苦しいです。 トランプ、トリックス、ゲーム! トリックで得たカードが次のラウンドの手札になる。 他のルールは王道でシンプルです。数寄ゲームズの日本語版はサマリー付きで遊びやすいです(ダイレクトマーケティング)。専用の弾丸コマも一緒にどうぞ! ヴァス・シュティッヒ 変則トリテの代名詞。 切り札がわからない状態で場に公開されたカードを一枚ずつ

Umbridge

https://www.parlettgames.uk/oricards/umbridge.html David Parlett先生の創作ゲーム。コントラクト・ブリッジを2人で遊べるようにしたものです。ダミーを2人のプレイヤーが共有するのが特徴的。 プレイ人数 2人 カード構成 トランプデッキからジョーカーを抜いた52枚 ♠ ♣  ♥   ♦   A  K  Q  J  10  9  8  7  6  5  4  3  2 ゲームの目的 コントラクト・ブリッジと同じ(ゲーム終了の項目を参照)。 カードの強さ 強い A  K  Q  J  10  9  8  7  6  5  4  3  2 弱い コントラクト・ブリッジとの共通点 Umbridgeはコントラクト・ブリッジを2人で遊べるようにアレンジしたものです。この記事で説明されていないルールに関しては https://www.jcbl.or.jp/home/learn/howto/tabid/164/Default.aspx をご参照ください。 ゲームの準備 ディーラーは自分と相手に13枚の手札を配ります。そして残りの26枚を2つの山札に分けます。2つの山札を(ディーラーの)右と左に置きます。 ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分の右側にある山札と自分の手札を交換することができます(13枚全部交換する)。山札が1つでも交換されたときは両方の山札をシャッフルし、再度2つに分けます。 ビッド 1. ビッドの準備 ディーラーは自分の右側にある山札をテーブルの中央に(伏せたまま)広げます。これをbridge(ブリッジ)と呼びます。 ディーラーの左側の山札はdummy(ダミー)と呼びます。ダミーの使い方は次の項目(プレイ)で説明します。 2. ビッド ディーラーから、コントラクト・ブリッジと同様にビッドを行います。 コントラクト・ブリッジに馴染みのない方向けに、簡単にビッドの説明をします。コントラクト・ブリッジは自分のチームがどれを切り札にして何トリック勝つかをビッドします。全部で13トリック行うので、最低7トリックから、最大13トリックまでビッドすることができます。 ビッドは前のプレイヤーより強くなければなりません。強いビッドとは a. トリック数が多い b. トリック数が同じでも切り札スートが強い ものです。スート

Basra

https://www.pagat.com/fishing/basra.html トランプのカシノ、スコパに似たゲーム。花札のこいこいのように場にカードを出して同じカードがあったら取る。 プレイ人数 2人(4人でも遊べますが、ここでは2人ルールだけ説明します) カード構成 トランプデッキからジョーカーを抜いた52枚 ♠ ♣  ♥   ♦   A  K  Q  J  10  9  8  7  6  5  4  3  2 ゲームの目的 相手より先に101点以上得点する。 本場では101点得点を1ゲームとして、5ゲーム遊ぶ(5戦3先勝制)ことが多いそうです。 ゲームの準備 1. ディーラーが各プレーヤーに 4枚 のカードを配ります。 2. テーブルの上に 4枚 のカードを置きます。カードが置かれた場所を以降、 場 と呼びます。 3. 残りのカードを山札として場の横に置きます。 ディーラーの相手(ノンディーラー)からプレイを始めます。2人のプレーヤーが交互に手番を繰り返します。 手番アクション プレーヤは自分の手番に下のアクションのどれか一つを自由に行います。 1 . 手札からカードを1枚出して場のカードを取る 以下のa, b, cのどれかの条件を満たせば、手札のカードを使って場のカードを取ることができます。使ったカードと場のカードをまとめて自分の前に置きます( 裏面にする )。 a. カードのランクが一緒   - ランクとは2~10の数字やA, K, J, Qのことです。   - 例えば手札と場に9のカードがあったら、手札の9を出して場の9のカードを取ることができます。   - Jは特殊な効果を持つカードなのでこのような取り方はできません。 b. カードの数字の合計が一緒   - 例えば場に1, 2, 5のカードがあって手札に8のカードを持っていたら、手札の8のカードを出して場のカード(1, 2, 5)を取ることができます。   - 合計さえ合っていれば取れるカードの枚数の制限はありません。   - Aは1として扱います。K, J, Qは数字を持たないのでこのような取り方はできません。 ✪. カードの取り方の補足   - 1枚を出してaとbを同時に複数回適用してカードを取ることができます。例えば1, 5, 6, 6の